尿沈渣で一番小さい成分は細菌でしょうか?慣れていないと細菌と見間違う沈渣成分があります。把握していますか?
◆目次◆
細菌について
球菌と桿菌がありますが、1μmぐらいです。
尿路感染症の詳細についてはまた別の話。
沈渣での細菌の見え方。
均一した大きさと形態です。
細菌と証明するには。
グラム染色を行いましょう。
細菌と見間違う尿沈渣成分。
- 無晶性結晶。
- 尿細管上皮の断片?
- ヘモジデリン顆粒。
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無晶性結晶を細菌と鑑別する。
pHが酸性側で主に見られる無晶性尿酸塩は細菌と区別しやすいです。
pHがアルカリ性で主に見られるよ無晶性リン酸塩が判別しづらい場合が多々あります。
尿沈渣で見られる各種結晶の特徴。
結晶ですのでキラキラ光っていることが大きなポイントです。形によって分類できることが多いです。
各結晶は、尿沈査に慣れてくると形態での鑑別が容易です。
結晶が多く見られ、他の成分が鏡検しづらいときの対処。
- 結晶を形態から鑑別し、他成分もできる限り鑑別・カウントする。
- 尿沈渣にEDTA生食を10mL加え、よく混和。
- 再度、遠心し鏡検する。
結晶がよく溶け、他の成分が鏡検しやすくなります。
余計に時間はかかりますが、正しい検査のためには行いましょう。
補足
尿路感染症に伴う尿アルカリ化のために、無晶性リン酸塩と細菌が同時に見られることはよくあります。
尿路感染症に伴う尿アルカリ化のために、無晶性リン酸塩と細菌が同時に見られることはよくあります。
腎障害時に現れる?尿細管上皮の断片と細菌を区別する。
?としたのは、確実に尿細管上皮由来と言える証明方法を見つけていないためです。
しかし、これ疑う検体でグラム染色を行い細菌がいないことを証明しています。
なぜ尿細管上皮由来と考えるのか?
- この成分が見られるときは、各種円柱や尿細管上皮が多くカウントされること。
- 顆粒円柱内の顆粒とそっくりなこと。
細菌との鑑別は?
- 各種円柱や尿細管上皮の有無。
- 形態の違い。
細菌は単一ですが、この成分は大小があります。
ヘモジデリン顆粒と細菌の鑑別。
よだきっけは研修会でしか、ヘモジデリン顆粒を見たことがありません…単に見落としているだけかもしれません。
細菌との鑑別。
無染色にてヘモジデリン顆粒は褐色です。鉄染色ができれば証明になりますが、保持している施設は少ないのではないでしょうか?
補足
ヘモジデリン顆粒が出るいる=体内で溶血が起こっているということ。
他検査値をヒントに鑑別もできそうです。
ヘモジデリン顆粒が出るいる=体内で溶血が起こっているということ。
他検査値をヒントに鑑別もできそうです。
最後に膿尿とは。
臨床検査技師が考える膿尿はダクダクの尿検体を想像しますが、医師は細菌と白血球5個/HPFを合わせた結果ならば膿尿として判断します。
しっかりと細菌と他の成分を鑑別し、正しい尿路感染症の診断の一助になりましょう。
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