病院などの検査室で働く臨床検査技師の鏡検は、
- 時間外勤務地も含めて担当部門以外の人が見る尿沈渣。
- 血液像、骨髄像。
- 病理検査。
- 細菌検査。
などあります。
特徴はそれぞれあれど捉えるべきポイントは似た部分があるのではないでしょうか?
よだきっけは検体検査の血液像、尿沈渣を10年ほど鏡検してきました。
鏡検検査の考え方。
単純に検査機器で測定される検査値と同じ考え方でいいと思います。わかりづらいでしょうか?
要は基準値(鏡検では形態学)からどれだけ外れているか、を捉える検査です。
しかし、検査値と形態学の違いはあります。
検査値の単純なとらえ方。
検体不良なく検査機器の精度管理が保たれていれば、基準値から外れていても再度測定した結果に再現性を認められれば一部を除き報告できる。この精度管理が軽視されていることもありますが重要なんです。
実例からいうと、当直などの時間外勤務の際に担当者でなく・仮に基礎的な知識がなくとも再現性がある一部を除き検査値は報告できてしまうからです。
だからこそ、一部の検査値を知り対応できることが一番望ましいですが・・・施設ごとに様々な形で共有できるといいですね。
形態学の単純なとらえ方。
基準(標準・正常)形態から外れた場合、更に臨床検査技師個人の知識レベルなどが問われるため苦手とする方も多いのではないでしょうか?
一番の問題は、一定の研修期間を経ていないと習得できないこと。更に、その研修もできていない施設も多いことでしょう。
研修初期に、わからないことがわからない方は
- 研修(鏡検)ポイントを教わっていないか。
- 勉強していないか。
のどちらかだと思います。
尿沈査や血液像での鏡検習得の目標とは?
弱拡大で全体像が把握できるようになれば一人前でしょう。
尿検査や血液像では必ず弱拡大の100倍や強拡大の400倍にて全体像を把握することが求められます。
この時の弱拡大の100倍で全体像を捉えられ、なおかつ各細胞のある程度まで捉えられるようになりましょう。
簡単にいっていますが、一定期間の研修や数年かかることもあるます。
尿沈渣の第一歩。
一般技術教本(JMAT技術教本シリーズ)では、
弱拡大で全視野を確認・把握後、強拡大で10から20視野をカウントすることが求められています。
弱拡大で把握できる能力を会得していると、
- 弱拡大では、2~3分ほどで全視野を把握。
- 強拡大では、把握できているため細胞数などのカウントは数十秒。
で沈渣成分が多量な検体を除き一検体の検査が終了します。
尿沈査の難しいところは、変性してしまうところです。(という言葉に逃げるときもあるような・・・)
血液像の第一歩。
- 血算データの確認。
- 芽球細胞の出現可能性ありなどの測定機器からのメッセージを確認し弱拡大で確認・把握。
- 強拡大で3血球の形態を確認しながら施設ごとの規定数をカウントする。
- 場合によって他検査値を確認し判断する。
かなり簡潔に書きましたが、目標を意識しながら鏡検習得を目指しましょう。
第一歩と書きましたが他施設の方から見れば不足な内容も多々あると思います。尿沈渣や血液像についてはまたの機会により詳細な内容を紹介できればと思っています。
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